役所工事(福岡市) 下地補修 各工法の写真工程や撮り方
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役所工事は、民間工事とは違い各工法ごとの写真の項目や撮り方などが細かく決まっています。
市や県などでも撮り方が変わってきますが、私は福岡市で工事をすることが多いので、福岡市の役所工事で学んだことをここに書かせて頂きます。
※現場によっては、黒板に日付を入れるところもあれば、保護具が映るように撮らなければならないところもありますので、写真を撮る前に現場の監督に必ず確認してください。
黒板記入例
工事の写真を撮る際に、黒板を記入しますが、現場によっては、黒板の書き方が多種多様です。
写真を撮る際は、初めに記入例を監督に必ず確認しましょう。
私が今まで公共工事の黒板記入例を紹介します。



マーキング状況
マーキング状況の写真を各工種ごとに1ヶ所ずつ撮ります。
※現場によって撮影枚数が変わるので事前に確認すること。

使用材料搬入
- 使用材料搬入と使用済材料のロット番号が必ず一致すること。
- 各材料ごとにロット番号が分かるように接写を撮る場合もある。
- 使用期限が切れていないか必ず確認すること。

使用済材料

モルタル厚計測
※モルタル浮き処理(G-1,2,3)の写真を撮る際は、必ずモルタル厚を1ヶ所か2ヶ所計測すること。
写真工程
モルタルに約5cm角はつり、スケールでモルタル厚を計測する。スケールが何ミリになっているかの確認のため接写を撮ること。※モルタル厚は25mm以内とすること。

塗材下地調整(塗膜剥離処理) C-2・CM-2工法
工法名・各工法の違い
工法名
C-2工法・CM-2工法
各工法の違い
C-2 | 塗厚:0.5~1.0mm程度 (塗布量目安:1.0kg/m²) |
CM-2 | 塗厚:1.0~3.0mm程度 (塗布量目安:3.0kg/m²) |
※塗膜剥離処理では、主に、CM-2工法が使われる。
写真工程
塗剤下地調整(塗膜剥離処理)の写真工程
脆弱した塗膜の表面、及び、膨れなどをスクレーパーなどで除去する。
紛化物、付着物などを、ブロアーなどで除去し、清掃する。
除去した塗膜の表面に吸水調整剤(NSハイフレックスなど)塗布する。
ポリマーセメントモルタル(NSポリマーミックス#20など)をコンクリート、モルタル表面に合わせて平滑に塗り込む。
- 着工前と完了以外は、各写真工程に状況及び完了が必要になります。
- フルハーネス及び保護具を着用しているか確認できるように写真を撮ります。
- ※上記の注意点は、現場によって異なりますので、監督に確認しましょう。
露出鉄筋処理(爆裂処理) B-1〜6・C工法
工法名・規模
工法名
鉄筋腐食補修工法(B工法・C工法)
適用
主として、鉄筋腐食部の処理に適用する。
各工法と規模
工法 | 規模 |
---|---|
B-1 | 100×100以下 |
B-2 | 300×100以下 |
B-3 | 1000×100以下 |
B-4 | 1000×100×10 |
B-5 | 1000×1000 |
B-6 | 50×50以下(主にセパなど) |
C | L×1000(コーナー部) |
黒板記入例

※材料名や日付は現場によっては必要ないので、ご確認ください。
写真工程
露出鉄筋処理(爆裂処理)B-1〜6・C工法の写真工程
露出鉄筋部を中心に、ハンマー、タガネなどで、健全部が露出するまではつり出す。
鉄筋が露出しているかを確認するための接写を撮る。
露出鉄筋の錆を、ワイヤーブラシ、サンダーなどでケレンし、ブラシと高圧エアー(ブロアー)などで清掃する。
ピンを打ち込み、ステン線を巻く。
コンクリート表面の脆弱層にアルカリ性付与材(NSハイハードなど)を塗布する 。
鉄筋に防錆材(NSメンテペースト)を塗布する。
断面修復用ポリマーセメントモルタル(NSドカモルハード)を用い、欠損、はつり部 を埋戻す。
ポリマーセメントモルタル(ポリマーミックス#20など)で表面調整を行い、刷毛でならして完了を撮ると良い。
- 着工前と完了以外は各写真工程に状況及び完了が必要になります。
- フルハーネス及び保護具を着用しているか確認できるように写真を撮ります。
- はつり出し時は、安全メガネ・防塵マスクを着用しているか確認できるように写真を撮ります。
- ※上記の注意点は、現場によって異なりますので、監督に確認しましょう。
クラック処理(ひび割れ) D-1工法(Uカット)
工法名・規模
工法名
Uカットシール材充填工法(D-1工法)
適用
主として,「コンクリート打放し仕上げ」,「モルタル塗り仕上げ」面の幅 1.0mm を超える (1.0mm 以下でも適用可)貫通していないひび割れ部の処理に適用する。
写真工程
クラック処理(D-1工法)
クラックにクラックスケールを当てて幅を測る。
ひび割れ部に沿って電動カッター等を用いて幅 10mm 程度,深さ 10~ 15mm 程度にU字型の溝を設ける。
溝内部に付着している切片,粉じん等をワイヤーブラシ,刷毛等で除去する。
プライマー(シールプライマー#7など)を溝内部に塗り残しのないよう、刷毛で均一に塗布する。
シーリング材(ウレタンコークNBなど)を空隙,打残しがないように,コンクリート,モルタル 表面から 3~5mm 程度低めに充填し,ヘラで押さえる。
ポリマーセメントモルタル(ポリマーミックス#20)をコンクリート,モルタル表面に合わせて 平滑に塗り込む。
ポリマーセメントモルタル(ポリマーミックス#20など)で表面調整を行い、刷毛でならして完了を撮ると良い。
クラック処理(ひび割れ) D-2工法(シール)
工法名・規模
工法名
シール工法(可とう性エポキシ樹脂)(D-2工法)
適用
主として,「コンクリート打放し仕上げ」,「モルタル塗り仕上げ」面の幅 0.2mm 未満程度の ひび割れ部の処理に適用する。(ただし,高い耐久性が求められる場合は樹脂注入工法若しく はUカットシール充填工法の採用を検討すること。
写真工程
クラック処理(D-2工法)の写真工程
クラックにクラックスケールを当てて幅を測る。
ひび割れ部に沿ってワイヤーブラシ等を用いて,幅 50mm 程度汚れを 除去し清掃する。
刷毛を用いてプライマー(シールプライマー#7など)を塗布する。
可とう性エポキシ樹脂(UカットONEなど)をパテへら等で幅 10mm,厚さ 2mm 程度に塗布 し,その表面を平滑に仕上げる。
クラック処理(ひび割れ) E-1工法(低圧注入)
工法名・規模
工法名
自動式低圧エポキシ樹脂注入工法
適用
主として,「コンクリート打放し仕上げ」,「モルタル塗り仕上げ」面の幅 0.2~1.0mm 以下 のひび割れ部の処理に適用する。
写真工程
クラック処理(E-1工法)の写真工程
ひび割れ部に沿ってワイヤーブラシ等を用いて,幅50mm程度汚れを除去し清掃する。
注入器具又は台座をひび割れの中心にくるようにして,仮止めシール材(剥離シール)等で取り付ける。注入間隔は200mm~300mmとする。
注入間隔は200mm〜300mmで、注入間隔をスケールで測る。
ひび割れ部に沿って仮止めシール材(剥離シールなど)をパテへら等で幅 30mm,厚さ2mm程度にシールする。
エポキシ樹脂(E207D)を注入器具に入れ,ゴム,バネ,空気圧等により,注入圧 0.4N/m m²以下として注入する。
注入完了後は注入器具を取り付けたまま硬化養生を行う。エポキシ樹脂注入材の硬化を見計らい仮止めシール材,注入器具を適切な方法で撤去し清掃を行う。
モルタル浮き処理(0,25 m²未満) G-1工法
工法名・規模・改修図
工法名
アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法
適用
主として、「モルタル塗り仕上げ」面の浮き発生部(通常の打撃で剥落する恐れがない場合) で 1 箇所当たり 0.25 m²未満,若しくは 0.25 m²以上であってはく落防止を主な目的とする処理 に適用する。
改修図
●アンカーピン固定部

写真工程
モルタル浮き処理(G-1工法)の写真工程
穿孔位置をマーキングする。穿孔位置は16本/m²とし、浮き面積が 1 m²以下の場合は標準配置グリッドを当てはめた最大本数程度とす る。
なお,ひび割れが生じている場合は、ひび割れから 5cm 以上離れたところにマーキングする。
コンクリート用ドリルを用いて、アンカーピンより1~2mm大きい直径で、構造体コンクリート中に30mm程度の深さまで穿孔する。
孔内をブラシ等で清掃後、圧搾空気または吸引機等で切粉等を除去する。
スケールで穿孔位置の間を計測する。G-1は250mm。
孔内の乾燥後、アンカーピン固定用エポキシ樹脂(E208)を手動式注入器に よりアンカーピン固定部の最深部から徐々に充填する。 (充填量は注入孔1ヶ所穴当たり25mlとする。)
アンカーピン(SUS304 M4x50など)のネジ切り部分にエポキシ樹脂を塗布し、気泡の巻き 込みに注意しながら最深部まで挿入する。
仕上げに応じて目立たない色のパテ状エポキシ樹脂(E390)等で仕上げる。
モルタル浮き処理(0,25 m²以上) G-2工法
工法名・規模・改修図
工法名
アンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法
適用
主として、「モルタル塗り仕上げ」の浮き発生部(通常の打撃で剥落する恐れがない場合)で 1 箇所当たり 0.25 m²以上の処理に適用する。
改修図
●アンカーピン固定部 13箇所/m²
〇注入口位置 12箇所/m²

写真工程
モルタル浮き処理(G-2工法)の写真工程
穿孔位置(アンカーピン固定位置)をマーキングする。穿孔位置は13本/ m²とし、浮き面積が 1 m²以下の場合は標準配置グリッドを当てはめた最大本 数程度とする。
なお,ひび割れが生じている場合は、ひび割れから 5cm 以上離れたところにマーキングする。
コンクリート用ドリルを用いて、アンカーピンより1~2mm大きい直径で、構造体コンクリート中に30mm程度の深さまで穿孔する。
孔内をブラシ等で清掃後、圧搾空気または吸引機等で切粉等を除去する。
孔内の乾燥後、アンカーピン固定用エポキシ樹脂(E208)を手動式注入器によりア ンカーピン固定部の最深部から徐々に充填する。 (充填量は注入孔1ヶ所穴当たり25mlとする。)
アンカーピン(SUS304 M4x50など)のネジ切り部分にエポキシ樹脂を塗布し、気泡の巻き込み に注意しながら最深部まで挿入する。
テストハンマー等により残存浮き範囲を再確認し、穿孔位置をマーキングす る。穿孔位置は12本/m²とし、浮き面積が 1 m²以下の場合は標準配置グリ ッドを当てはめた最大本数程度とする。
アンカーピン固定部の効果を待ってから、構造体コンクリート中に5mm程 度の深さまで穿孔を行う。
孔内をブラシ等で清掃後、圧搾空気または吸引機等で切粉等を除去する。
スケールで穿孔位置の間を計測する。G-2は200mm。
注入用エポキシ樹脂(E208)を手動式注入器により打診しながら全面に充填する。 (充填量は注入孔1ヶ所穴当たり25mlとする。)
仕上げに応じて目立たない色のパテ状エポキシ樹脂(E390)等で仕上げる。
モルタル浮き処理(狭腹部) G-3工法
工法名・規模・改修図
工法名
アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法
適用
主として、モルタル笠木,面台等の浮き発生部(通常の打撃で剥落する恐れがない場合)の処
理に適用する。(笠木の幅が 200mm を超える場合はG-1工法を適用する。)
改修図
●アンカーピン固定部

写真工程
モルタル浮き処理(G-3工法)の写真工程
穿孔位置(5本/m)をマーキングする。 なお,ひび割れが生じている場合は、ひび割れから 5cm 以上離れたところ にマーキングする。
コンクリート用ドリルを用いて、アンカーピンより1~2mm大きい直径で、構造体コンクリート中に30mm程度の深さまで穿孔する。
孔内をブラシ等で清掃後、圧搾空気または吸引機等で切粉等を除去する。
スケールで穿孔位置の間を計測する。G-1は200mm。
孔内の乾燥後、アンカーピン固定用エポキシ樹脂(E208)を手動式注入器に よりアンカーピン固定部の最深部から徐々に充填する。 (充填量は注入孔1ヶ所穴当たり25mlとする。)
アンカーピン(SUS304 M4x50など)のネジ切り部分にエポキシ樹脂を塗布し、気泡の巻き 込みに注意しながら最深部まで挿入する。
仕上げに応じて目立たない色のパテ状エポキシ樹脂(E390)等で仕上げる。
モルタル浮き処理 F-1〜2工法
工法名・規模
工法名
充てん工法(ポリマーセメントモルタル)(F-1〜2工法)
適用
主として,「モルタル塗り仕上げ」面の欠損及び浮き発生部(通常レベルの打撃で剥落する恐れがある場合)で 1 箇所当たり 0.25 m²程度以下かつ塗厚 25mm 程度以下の処理に適用する。
各工法の違い
F-1 | モルタル厚 10mm未満 |
F-2 | モルタル厚 10~25mm |
写真工程
モルタル浮き処理(F-1〜2工法)
浮き部を中心にダイヤモンドカッター等で健全部分と縁を切り,劣 化部分をはつり取る。
モルタル厚、F-1工法10mm、F-2工法10〜25mmをスケールで計測する。
刷毛を用いてプライマーを塗布する。
ポリマーセメントモルタルを1回当たりの塗り厚は7mm程度とし表面を金ごてで加圧しながら平滑に仕上げる。
モルタル浮き処理 F−3工法
工法名・規模
工法名
充てん工法(エポキシ樹脂モルタル)(F-3工法)
適用
主として,「モルタル塗り仕上げ」面の欠損及び浮き発生部(通常レベルの打撃で剥落する恐れがある場合)で 1 箇所当たり 0.25 m²程度以下かつ塗厚 25~50mm 程度の処理に適用する。
写真工程
モルタル浮き処理(F-3工法)
浮き部を中心にダイヤモンドカッター等で健全部分と縁を切り,劣 化部分をはつり取る。
モルタル厚25mm〜50mmをスケールで計測する。
刷毛を用いてプライマーを塗布する。
プライマーの粘着性があるうちに,エポキシ樹脂モルタルを充填し表面を金ごてで加圧しながら平滑に仕上げる。
モルタル浮き処理 F-4工法
工法名・規模
工法名
充てん工法(エポキシ樹脂モルタル)
適用
主として,「モルタル塗り仕上げ」面の欠損及び浮き発生部(通常レベルの打撃で剥落する恐 れがある場合)で 1 箇所当たり 0.25 m²程度以下かつ塗厚 50mm 以上の処理に適用する。
写真工程
モルタル浮き処理(F-4工法)
浮き部を中心にダイヤモンドカッター等で健全部分と縁を切り,劣化 部分をはつり取る。
モルタル厚50mm以上をスケールで計測する。
ステンレス製アンカーピンを構造体コンクリートに打込み、ステンレ ス製ラスまたは、溶接金網、ネット等を取り付ける。 ステンレス製アンカーピンは構造体コンクリートに30mm以上打込み、 ピッチはタテ、ヨコとも@200mm程度とする。
刷毛を用いてプライマーを塗布する。
プライマーの粘着性があるうちに,エポキシ樹脂モルタルを充填し表面を金ごてで加圧しながら平滑に仕上げる。
タイル面浮き処理 H-1工法
工法名・規模
工法名
タイル部分張替え工法
適用
主として、「タイル張り仕上げ」で、タイル面と貼付けモルタル間または、貼付けモルタルと 下地モルタル間の浮き発生部で 1 箇所あたり 0.25 m²以下の処理に適用する。
写真工程
浮き部を中心にモルタルをダイヤモンドカッター等で健全部と縁を切 って損傷が拡大しないようにタイル目地に沿って切り込み,タイル片をのみ,たがね等ではつり取る。
タイルを撤去した後、露出鉄筋、ひび割れ等が確認できた場合は、 適切な工法により処理する。B.D.E工法など。
※張り付けモルタルのタイル面との浮きか下地モルタルとの浮きかで変わる
張り替え下地面に吸水調整材、又は、接着剤を塗布する。
タイル面と貼付けモルタル間の浮きの場合
よく乾燥させた張替え下地面に、接着剤(一液反応硬化形変性シリコーン樹脂系)を塗布し、タイルを張り付ける。
貼付けモルタルと下地モルタル間の浮きの場合
水湿しまたは吸水調整剤の塗布を行った張替え下地面とタイル裏面の両面にポリマーセメントモルタルを塗り付け、タイルを張り付ける。
ゴムごて等を用いて、タイル厚の1/2以下まで目地モルタルを塗り込む。
タイル面浮き処理 H-2工法
工法名・規模
工法名
アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法
適用
主として,「タイル張り仕上げ」で、貼付けモルタルと下地モルタル間または、下地モルタル と構造体コンクリート間の浮き発生部(通常の打撃で剥落する恐れがない場合)で比較的目地 の健全な場合の処理に適用する。
写真工程
テープでタイル浮き部を囲う。
穿孔位置をマーキングする。穿孔位置は16本/m²とし、浮き面積が 1 m² 以下の場合は標準配置グリッドを当てはめた最大本数程度とする。 なお,穿孔位置がタイル陶片にかかる場合は,近傍のタイル目地部分に釣 り合いを保ちながら移動する
コンクリート用ドリルを用いて、アンカーピンより1~2mm大きい直径で 、構造体コンクリート中に30mm程度の深さまで穿孔する。
孔内をブラシ等で清掃後、圧搾空気または吸引機等で切粉等を除去する 。
孔内の乾燥後、アンカーピン固定用エポキシ樹脂(E208)を手動式注入器により アンカーピン固定部の最深部から徐々に充填する。 (充填量は注入孔1ヶ所穴当たり25mlとする。)
アンカーピン(SUS304 M4x50など)のネジ切り部分にエポキシ樹脂を塗布し、気泡の巻き込み に注意しながら最深部まで挿入する。
仕上げに応じて目立たない色のパテ状エポキシ樹脂(E390)等で仕上げる。